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「大きな声」だけでなく「小さな声」や「多くの声」「少ない声」も疑う必要がある

フィルム写真

上の写真は、京都にある伏見稲荷大社で撮ったもの。

そこは世界的にも有名になった神社です。 日本人だけではなく、海外の方からも支持された理由は、 単に世界文化遺産へ登録されたことだけではなく、その無数の鳥居が造りだす「朱色のトンネル」の神秘的な景観かと。

そんな有名な被写体を写した写真も、ぼくのお気に入りの一枚です。

写真リンク: Gateway l 67 PHOTO

この「伏見稲荷大社」は、日本人はもちろんのこと、訪日外国人観光客な方も多く訪れるとか。

そのためか、ネットには数多くの「朱色のトンネル」の写真が出回っています。 ただ、ぼくだけかもしれませんが、「難しい被写体」の一面も感じます。 それは、美しすぎて被写体と冷静に向き合えないこともあるのですが、それ以上にシンプルすぎて構図の微妙なズレが致命的になりやすいのかと。

そこを考慮して撮られた写真は、自分では完璧と思っても、それはすでに「個人の趣向」の領域に入っていることが多いので、 万人受けする写真ではない気もします。

上の写真でいうと、「左右対称」は万人受けするとは思うのですが、消失点の位置は中心から少し下げています。 セオリーでは、中心か下から1/3、もしくは上から1/3の位置にもってくるのが正解かと。 ですが、それだとぼくは気持ち悪いので「この位置」にしました。それは、上の朱色と、下の黒と灰色のバランスを優先させた結果です。

それに「彩度の低い朱色」を併せた写真は、良くいえば「自分らしい写真」のかもしれませんが、他の人から見れば「気持ちの悪い写真」なのかと。

ちなみに、上部の「漢字」と、鳥居の「隙間」が入ってしまったのは、ぼくの詰めの甘さ。 それでも、ぼくは他の誰の「朱色のトンネル」の写真よりも自分で撮ったこの写真が気にいっています。

そんな自分にだけ強く刺さる写真は、ネットに溢れる「撮り方」を参考にしても撮れないのかと。
上の写真もセオリーを無視したものですし。 「3分割構図」も正しいのですが、実際には無限に区切れるのが「構図」。 そう考えると、ネットに溢れる「撮り方」は正しいのですが、それは「答えのひとつ」であって、「唯一無二の答え」ではないと思ってしまいます。

例えば屋外での「人物の撮り方」。

人物を強調させるために背景はぼかす。そのために望遠系のレンズを使って被写界深度を浅くすることが効果的。 それがネットで見つけた「撮り方」なのですが、実際は人物を強調させる方法は他にも多くあるわけで。 背景をシンプルな壁や地面にすれば、パンフォーカスでも人物は強調されますし、背景を考えれば表現の幅は「ぼかす」よりも増えるものかと。 なにより、原色の多い日本の都会では、ぼかしても「うるさい」背景は多く存在しますので、やはり、その「人物の撮り方」も「唯一無二の答え」ではないと思ってしまいます。

そもそも、ネットに溢れる情報は、より多くの人に必要とされている「最小公倍数的な情報」なことが多いのかと。 そう考えれば、自分にだけに刺さるマニアックな情報は少ない。 ですので、ネットに溢れる「撮り方」だけでは、自分にだけ強く刺さる「個性的」な写真を撮ることは難しいと、そう思ってしまいます。

昔、「新聞を疑え!」というキャッチコピーがありました。

これは新聞社がCMで自ら打ち出した言葉なのですが、「大きい声の人(メディア)の話を鵜呑みにしない方がいいよ」という意味だったと思います。 それも今の時代では当たり前のことなのかも知れませんが、当時は主要なメディアといえば新聞とテレビしかなく、 その信頼も高かったので、 それを「疑え!」と言われても、その意味は分かりずらい。

そして、今はインターネットが普及し、「小さな声の人」でも社会に向かって情報を発信できる世の中になりました。 「大きな声の人」を疑う文化も定着した思います。同時に「多くの声」も強くなりました。 ただ、「大きな声」も「小さな声」も、そして「多くの声」もとい「少ない声」も、「唯一無二の答え」ではなく「答えのひとつ」であることに変わらない。

そう考えると、情報の溢れる今の時代に必要なのは、「大きな声」に加えて、「小さな声」や「多くの声」「少ない声」も鵜呑みにせず、一度は疑うことが必要なのかと思うのです。

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カテゴリ: 写真 | 筆者: kenji  | 投稿日: 2017/12/14

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