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被災地の写真と撮影の必要性を考える

フィルム写真

上の写真は、早朝に仙台市の若林区で撮ったもの。

震災から数ヶ月。 立ち入り禁止だった沿岸部にも、そろそろ入れると思って家を出たのですが、まだまだダメなようす。 立ち入りが制限されているポイントに警備の方はいないものの、道路は簡単なバリケードで塞がれ、「進入禁止」の文字もありました。 そのため、水平線から昇る太陽を見ることはできませんでした。

ただ、せっかくのブルーアワーなので近くをドライブ。 そしてこの日は、大型台風の通り過ぎたあと。 水田には苗が植えられていないものの、水は満杯。 風はないため、水面は鏡のように無機質な鉄塔を映し出していました。

そんな景色を落とし込んだ写真が、この日のベストショットだったわけです。

写真リンク: Steel tower l 67 PHOTO

この写真、もしかしたら被災地の現状が写り込んだ写真なのかと。

台風の影響で水田の水量が増えていたと思うのですが、もしかしたら地震の影響で地盤沈下した場所に海水が入り込んでいたのかと。 近くの水路は逆流していましたし。海から山の方へと。 おそらく潮の関係で逆流していたのかと。

そう考えてしまい、少し撮ることへの躊躇もありました。

ぼくは被災地の写真はむやみやたらに撮るべきではないと思っています。 たしかに、記録として撮る必要性はありますし、それを知りたい人もいるので、ジャーナリズム的に撮る必要性もあると思います。 また、被災者の方の中には「撮って欲しい」との声があるのも事実。 そう考えると、被災地の写真は多く撮った方が良いのかと。

ただ、「撮って欲しくない」という声があるのも事実。 所有して管理しているもの(していたもの)が、壊れている状態で、皆の前に晒されているだけで精神的に苦痛なのに、それを写真に撮られることはもっと苦痛と思うので。 現に、東日本大震災と同じ年に、豪雨で被災した和歌山県の那智川では、その被災地の景色が見渡せる場所に、「撮らないで!」と大きく手書きで書かれた看板が設置されていました。

そう考えると、安易に誰もが「記録のため」や「ジャーナリズム的」に被災地を撮ることは、控えた方が良いのかと。 被災地の撮影は、プロの方や強い信念を持つ方に任せて、趣味や個人での撮影は考えたが良いと。復旧作業の邪魔になることは論外ですが。 ぼくを含め、アマチュアの写真家さんは、被災地の写真をゼロにする必要もありませんが、その両方の意見があることを念頭に撮らなければならないと思うわけです。

と言いつつ、ぼくも被災地の写真は何枚か撮ってしまい、それをWebで公開しています。 「被災した仙台市民のひとり」という言訳で、その景色を積極的ではないにしろ撮りました。 自己都合なのかも知れませんが、「プロの方や強い信念を持つ方」に、「その土地に住む当事者」も加えたわけです。

その罪滅ぼしというわけでもないのですが、ぼくなりに出来ることを考え、復興ボランティアに参加したり、「頑張ろう」を記録として残しました。

「平成28年熊本地震」の発生により、また起こるであろう「被災地の写真問題」。
なにかの参考にでもなればと思い書きました。

震災で亡くなられた方のご冥福と、被災地の早期復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。

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カテゴリ: 写真 | 筆者: kenji  | 投稿日: 2017/12/07

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