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フィルムスキャンとRAW現像の関係性から分かること

フィルム写真

上の写真は北海道で撮ったもの。

札幌から西へ進み、運河で有名な小樽を通り過ぎ、ニッカウイスキーの工場のある余市も通り過ぎ、積丹半島の先端まで行くと、その景色は広がります。 神威岬と呼ばれる場所は、日本海に突き出た天然の展望台。 そこから先に陸地は無く、あるのは日本海の大海原。

強風吹き荒れ、7月でも肌寒い厳しい環境なはずなのに、そこで眼に飛び込んでくるのは南国を想わせる青い海。 それは「積丹ブルー」と呼ばれ、北海道を代表する絶景ポイントとなってます。

写真リンク: Blue sea l 67 PHOTO

この写真で苦労したのは「青色」。

実際の「青色」の再現性はおいといて、ナチュラルカラーのフィルム「プロビア」で撮ったにもかかわらず、ポジ原版で見る「青色」の鮮やかさは際立っていました。 おそらく、イメージカラーのフィルム「ベルビア」で撮っていたら、鮮やか過ぎたのかも知れません。

そんな「青色」のきれいなポジ原版ですが、スキャンしてデジタルファイルにすると、その鮮やかさは少々落ちてしまいました。 これは、その工程の「仕様」というわけでなく、単にぼくの技術不足が原因。

ぼくがデジタルスキャンで目指すところは、ポジ原版の色の再現なのですが、これがかなりの難易度で、100点を狙うのは、ほぼ無理。 各色のレベル補正を調整して、何度もスキャンを繰返して、モニタの写真とポジ原版を見比べます。 こっちを立てればあっちが立たず、あっちを立てればこっちが立たず。 そうすることで最小公倍数な妥協点を探りつつも、最後は自分の好みで決定したり。

そんな工程を繰返してフィルムのデジタルスキャンを行ってます。

ただそれは、逆にいえば、フィルムでもデジタルスキャンを使えば、色や明暗をコントロールして写真を作れるということ。 できあがった写真は、厳密にいえばフィルム写真ではなく、デジタル写真なのですが、それでも写真に変わりはないかと。 そう考えれば、フィルム写真でも、デジタルカメラで撮った写真には及ばないものの、かなりのコントロールの幅があるのかと思います。

デジタル写真に「RAW現像」があるように、フィルム写真には「デジタルスキャン」があるわけです。

ここら辺の、「言葉」の定義はややこしくて、知らない人にとっては混乱するポイントなのかと。 フィルムの狭義の意味で使われる「現像」は、デジタルの「RAW現像」とは別物。 フィルムの「現像」は、感光したフィルムを安定化させ、マスターデータとして使える状態にすること。 デジタルカメラでは、映像素子が受け取った情報から「RAWファイル」を作成する工程に当たります。

そして、マスターデータから写真を作る工程が、フィルムでは「プリント」や「デジタルスキャン」であり、デジタルでは「RAW現像」となるわけです。

「現像」の広義の意味では、写真の完成までを網羅しているので、「RAW現像」は現像ではないということもないのですが、少しややこしいなと。 かといって、「それは違う!」と主張するのは野暮ですし。

言葉の定義は時代と共に変わるもの。

「写真」といえば、それがフィルムからデジタルに移行したように、 「現像」といえば、やっぱし「RAW現像」を指すのが現代なのかと。

時代が変わっても、「自分」や「使っているもの」を無理に変える必要は無いと思いますが、 時代の変化を把握して、それに合せて「言葉」や「考え方」を変えられる柔軟性を保持し続けることも大切と思います。

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カテゴリ: 写真 | 筆者: kenji  | 投稿日: 2017/12/01

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