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露出を失敗した写真も真実のひとつ

住宅地でも夕方になるとコウモリが飛び交います。

小学校からの帰り道、そんなコウモリにいたずらをと、皆で空に向かって甲高い声を飛ばしていたのは良い想い出。 ただ、そんなことをしてもコウモリは落ちてこず、考えてみれば、コウモリが周囲の把握に利用している「超音波」は人には聞こえないものなので、いくら甲高い音を発しても、それは超音波ではなく、単なる高い音。 コウモリからしてみれば、何の影響のないものでした。

超音波で周囲の状況を把握するコウモリ。

それは子供ながらも凄いと感じた能力でした。 眼はほとんど見えないのに、景色は見えていないのに、超音波で周囲を把握しているなんて。 ただ、それはヒトの眼を基準に考えたこと。 もしかしたら、コウモリは耳で捉えた超音波によって、鮮明な景色を見ているのかも知れません。

ヒトも、太陽やランプなどの光源から発せられた電磁波の反射を眼で捉えて、周囲の鮮明な景色を見ています。 超音波と電磁波、耳と眼、媒体と受け取る器官が違うだけで、脳ではしっかりと「景色」に変換されているのかと。 案外、超音波の少しの周波数の違いで、カラー映像をつくりだしているのかも知れません。

そう考えれば、景色は動物の脳がつくりだしたもので、本質的には「暗闇」といいますか「無」なのかも知れません。

それは写真を撮っていても感じます。一般的にはヒトの眼は優秀で、写真の表現力ではその眼で見た景色を再現することは難しいとされています。 ただ、それはヒトの眼で見た景色を正解とした場合のこと。 ヒトの眼で見た景色、写真に映し出された景色、本当の景色、それらは別ものの景色で、どれが正解と言うものではなく、まさに「見え方」の問題だと思うのです。

ですので、ヒトの眼で見た景色を忠実に再現した写真が「真実」であると同時に、そうではない写真もまた「真実」かと。 空に露出を合わせた結果、地表部分が暗く写る。窓から入る日差しが強すぎて、屋内は暗く写る。 それは露出を失敗した写真かも知れませんが、実はしっかりと「真実」を写し出している写真なのかと思ってしまいます。

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カテゴリ: 写真 | 筆者: kenji | 投稿日: 2017/03/09

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