67 PHOTO

Film Photographer's Website
Photography Index


more...

原木椎茸による「森の循環」は補足にしておきたい

生物

「森の循環」が難しいのは、それ自体を目的にしないと上手く回らないから、と思っています。

日本の森の約4割は人工林。 そのため、人が手入れをしないと森は上手に育ってくれません。 森が育たないと、山が崩れやすくなったり、野生動物の住処が少なくなったリ。 また、温室効果ガスのひとつと言われている「二酸化炭素」の吸収量も減少してしまいます。

元の自然林に戻せればよいのですが、一度でも人工林になると復元は難しい。 ですので、育ちきった木は切り倒し、再び木の苗を植え付ける。 木の成長を促すために草を刈ったり、間伐(木の間引き)を行ったりする。 そんな手入れが必要となるのです。

森の手入れには人の労力と時間が必要。 そのため、利益を期待できる「事業」として成り立たせる必要があるのですが、そこでキーワードになるのが「木材の有効利用」かと思います。 正規の木材にしろ、間伐材にしろ、それをお金に換えることができれば「森の循環」は成立つと思います。 そもそも、人工林はそのために生まれたものですし。

逆に言えば、昔ほど木材を使わなくなったリ、使ったとしても外国産の安い木材を選んだりするようになったので、国内産の木材は売れず、従事する人は減り、「森の循環」は停滞気味に。 そう考えても、「森の循環」を回すためには「木材の有効利用」が不可欠だと思うのです。

ただ、人は賢い生き物なので、いざ自分のお金を使おうとするとき、バックグラウンドに「森の循環」があったとしても、やはり「良いもの」や「安いもの」を選んでしまいます。 もちろん、森を守ろうとして、そちらにお金を落としてくれる人も大勢いる。ただ、ぼくも含めて大多数の人は「良いもの」や「安いもの」を選びますし、それが自然な姿だとも思います。

それでは、「森の循環」をもっとアピールすれば良いのかというと、それも違うと思います。

仮に、それを声高くアピールすれば、きっと賛同してくれる人は多く集まると思いますし、「森の循環」も周りはじめると思います。 ただ、熱のある人々が集まると、それを避ける人も出て来ます。そんな人達はサイレント・マジョリティと呼ばれる「物言わぬ多数派」。 ですので、多数派を巻き込んだ本当に活気ある「森の循環」を目指すのであれば、「森の循環」を前面に押し出すのではなく、それは補足程度に抑え、全力でアピールするのは「その物の良さ」の方だと。

今は「森の循環」自体を目的にしないと上手く回らないかも知れませんが、長い目で見れば「製品で得られる利益」を目的にした方が得策だと思うのです。

そして原木椎茸もそうと思っています。

新得町のミズナラは原木椎茸の生産のために植林されたものも多い。 そして、間伐や主伐で得られた全てのミズナラは原木椎茸の生産に使えます。 切り終えた山に再び植林しても良いのですが、ミズナラは切株から芽が出て再び元の樹木に戻る「萌芽更新(ほうがこうしん)」という性質があるので、植林をしなくても根による地固めはもちろん、明るい森も維持され続けます。

木材は「榾木」に変わり、椎茸を多く生やします。 使い終わった榾木は、冬場に暖房用の薪として使用。 燃え残った灰は、雪解けを促すために外に撒かれ、春には土に帰ります。

原木椎茸の栽培も「森の循環」を回します。
ただ、一番に注目してほしいのは「美味しい」ところ。
それは生産者の変なこだわりの理想論なのかと。

でも、「森の循環」を知ってもらえることは嬉しかったりするので、必ず補足的にアピールしたいです。

参考: 原木椎茸の撮り方、食べ方、育て方

このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet



カテゴリ: 雑記 | 筆者: kenji  | 投稿日: 2017/08/20

「雑記」の他の記事

自己紹介


Blog


人気記事

 
次の記事: 「実験動物管理者」という職業の年収はこれくらい
前の記事: 原木椎茸が日本の和食文化を支えている理由
Photography Index


more...
Copyright C 2007-. 67 PHOTO.All Rights Reserved.