地方を転々と、旅をするように移住を繰返しました。
それで知ったことと言えば、地方の有名な1番目よりも、2番目以降の方がおもしろい、ということ。
特に食べ物がそうで、それを知れることも移住の楽しみのひとつなんだと思います。
その目線で思い返したとき、一番おもしろかった地方と言えば、やっぱり「仙台」。
正直、牛タンよりも、おはぎや油揚げの方が美味しかった。
そして、なによりも好きだったのは「油麩」だったりするのです。
仙台名物「油麩」。
詳しい作り方は分りませんが、それは油で揚げて作られた「麩」。
仙台市内のスーパーならどこにでも売っているものです。
そんな「油麩」は、油で揚げてあるので煮物の具に最適。
「おでん」のさつま揚げ。「ちゃんこ鍋」の油揚げ。
料理に入れるのなら、それと同様の使い方で良いと思います。
少々煮込んでも、外郭の固さは残るので、それも「油麩」の美味しさのひとつかと。
そこら辺の食感は、個人の好き嫌いで分かれると思うのですが、それも煮方ひとつでコントロールもできるので、ほんと「油麩」は良い食材です。
ただ、仙台を含め東北以外では、その姿もあまり見かけません。
そう思っていたのですが、関西に住んでいるとき、近所のスーパーで見つけてしまいました。
さっそく購入し、家で調理。
肉じゃがの「肉」の代わりに「油麩」を入れました。
いわゆる「麩じゃが」というやつです。

麩じゃが。
おいしい。
なつかしい仙台の味。
ぼくは固めの「油麩」が大好きです。
今では、仙台以外でもたまに見かける「油麩」。
北海道のスーパーでも置いてるそうな。
それは嬉しいのですが、どこかで寂しさも感じます。
それは、インディーズからメジャーへの昇格を祝うファンの心理と似ているのかと。
そんなわけで、どこで買おうが食べようが、ぼくの中では永遠に「油麩」は仙台の味だったりするのです。
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