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【原木】大きな「しいたけ」の作り方

原木しいたけ

先日、忘れていたものを森でみつけました。

農家の研修をはじめたころ、いわれるがままにつくってみた「太い原木の榾木」。 その頃は管理の方法もわからず、森にずっと転がしておきました。 それでも、原木の中で「しいたけ菌」が動くようにと、なんどか立ててみたり。ひっくり返してみたり。

でも、冬になると雪で見えなくなったこともあり、すっかりと存在を忘れてしまいました。 それを先日の森の散歩中に思い出し、みつけたというわけです。

植菌の跡のある数本の原木。 細い原木は榾化が進んでいる気配はないものの、1本の太い原木には自然子の姿も。 きっと、原木が太かったので乾燥にも強く、自然のあめだけで生き残れたのだろうと。 ふた夏を越えて、しっかりと榾化していたみたいです。

直径は20cmを超えている原木。

管理のしやすさや、収める棚のスペースを考えると、原木の直径は10cm前後がよく、太くても15cmくらいにしておきたいところ。 それを考えると直径が20cm以上の原木は「しいたけ栽培」に適していないのですが、それでもつくってみたことには理由があったりします。

太い原木からは、「大きなしいたけ」が育つらしい。

きっと、直径が20cm以上の原木からは、座布団のようなしいたけが生えてくるだろうと。 そんなことを聞いたので、ためしにつくってみたというわけです。 そのメカニズムは分らないのですが、単純に、大きなものからは大きなものが生まれるそうな。

ただ、そこで不思議に思ったこともあり、それは「しいたけ菌の大きさ」の考え方でした。

椎茸

「しいたけ菌」は細胞内に核を有する微生物。

それは「真菌」とよばれている存在で、酵母や麹、カビが仲間です。 核を持たない「細菌」との違いは、細胞のひとつひとつが自立して生きていることに加え、お互いが役割を持って助け合っていること。 つまり、原木の中で養分を生産しているものもいれば、樹表を突き破ってキノコになるものもいる、ということ。 そう考えると、榾化した原木自体がひとつの生体であって、「しいたけ菌の大きさ」とは「原木の大きさ」だと思うのです。

そのため、地球上で一番巨大な生物は「菌糸」とも言われています。

ひとつの菌糸が森全体に伸びわたることもあるらしく、その長さや広さは数kmにもなるのだとか。 一番大きな動物は「シロナガスクジラ」ですが、その体長もせいぜい30mくらいなもの。 植物ではヒノキの仲間である「セコイアデンドロン」が一番大きくなりますが、それでも100mくらい。 「菌糸」は動物や植物とくらべると、その姿をみることはできませんが、桁違いに大きいというわけです。

「広がった菌糸をひとつの生体と考えるには無理があるのでは?」と、そう思ってしまいますが、そもそもそれも、動物を生物の基準にして考えたことによるものかと。

動物は、生体を構成する多くの細胞が生死を共にした絆の深い仲間ですが、植物はそこまで細胞同士の絆は深くなく、生体の生死を共有する度合いも低い。 真菌は、ひとつの生体の中で細胞が役割を持って助け合っていても、植物よりもさらに細胞同士の絆は浅いかと。 ただ、動物も植物も、真菌も、すべてが生物。同一の遺伝子を持った細胞で構成されている個体が生体と、構成する細胞同士の絆の強さは関係ないと、そう考えれば、やっぱり、地球上で一番巨大な生物は「菌糸」だと思うのです。

ちょっと難しく考えすぎてしまいましたが、大きな榾木から、大きなしいたけ菌から、大きなしいたけが出てくることは、単純に楽しみなこと。

またひとつ毎日の楽しみが増えました。

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カテゴリ: とかち暮らし | 筆者: kenji  | 投稿日: 2018/05/06

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